2023年7月18日付

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新型コロナウイルスが感染症法上の5類に引き下げられたのを受け、各地で夏祭りが復活の兆しを見せている。これまで中止や規模縮小を余儀なくされていたが、久しぶりの本格開催。みこしや花火、踊りの準備を進める報道を目にするようになった▼「暴れみこし」で知られる宮田村の津島神社祇園祭宵祭りが15日、4年ぶりに開かれた。クライマックスを飾るみこしの打ち壊しでは石段の上から豪快に落とされるみこしを大観衆が見守った。300年以上続く伝統行事に熱狂する人々。祭りが単なるイベント以上の意味を持つことを改めて実感した▼地域に目を向ければ、コロナ禍を機に実施を取りやめた行事もある。地域住民が集う運動会やスポーツイベント、飲食を伴う会合など。人口減少や自治会役員の担い手不足が課題となる中、行事の見直しは必然の流れと言えるかもしれない▼上伊那地方の高校で今月、文化祭を取材した。4年ぶりの一般公開に気合の入る生徒たち。コロナ禍前の高校生活を知らない3年生が中心となり、恒例の模擬店も復活させた。文化祭には不可欠と判断したのだろう。準備に携わった生徒は「できて良かった」と満足げに語った▼「ピンチをチャンスに」。コロナ禍を前向きにとらえる論調がある。確かに安易な前例踏襲を見直すには良い機会。本当に必要なものを見極め、より良くしていくことに全力を傾注したい。

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