駒ケ根で来月「糸平フェスティバル」

ポスターを手に「糸平フェスティバル」をPRする駒ケ根市の職員
駒ケ根市は8月、旧赤須村(現・同市)出身の実業家で「天下の糸平」と呼ばれた田中平八(1834~84年)に光を当てたイベント「糸平フェスティバル」を市内で繰り広げる。作家で日本取引所グループ取締役などの幸田真音さんによる講演会を開き、作家の目から見た平八の功績や時代背景、日本経済の課題などを聞き、郷土の偉人への理解を深める。
平八は、幕末から明治期にかけて伊那谷産生糸の輸出や両替商で財を成し、財界で活躍。東京株式取引所(現・東京証券取引所)の設立にも関わり、日本の金融市場に大きな影響を与えた。
市は、平八の生涯と偉業を多くの市民に知ってもらおうと、8月を「糸平月間」とうたい、東京証券取引所(東証)の協力を受けて、2021年から毎年8月に講演会や特別展などを展開している。
今年は講演会を19日午後2時から、赤穂公民館ホールで開く。幸田さんが「天下の糸平と経済小説で読む金融市場の昔と今」と題し話す。入場無料で定員300人。聴講希望者は市ホームページの専用フォームなどを通じて10日までに申し込む。
このほか、同市東伊那の駒ケ根シルクミュージアムにあるレストラン菜々ちゃんでは、市民を対象に食事代の500円割引券を配布している。限定2000枚。
20日の定例会見で、今年のフェスティバルの概要を説明した伊藤祐三市長は、事業を通じて「市内の(平八の)知名度は高まってきた」と話した。昨年には市の人材育成事業「ウミガメプロジェクト」とタイアップし、東証の授業支援プログラムを活用した金融リテラシー教育を市内高校で行うなど、「副産物」も得られたと成果を強調した。
問い合わせは市農林課農政係(電話0265・83・2111)へ。