登山者癒やすコマクサ 硫黄岳

八ケ岳連峰の硫黄岳山荘付近で咲くコマクサ
八ケ岳連峰の硫黄岳山荘(標高2560メートル)付近の登山道などで、「高山植物の女王」とも呼ばれる「コマクサ」が見頃を迎えている。10~15ミリほどの薄桃色の花弁が風に揺れ、訪れた登山者の心を癒やしている。
コマクサはケシ科の多年草で、砂礫地に生息する。硫黄岳(同2769メートル)付近は群落地として有名で、硫黄岳から硫黄岳山荘までの登山道などでは間近で観察できる。登山道ではこのほか、紫色の花弁が引き立つチシマギキョウや黄色い小さな花びらが特長のミヤマダイコンソウなども咲いている。
20日は、東京都の私立中学校の1年生が学校登山で硫黄岳を登頂し、雄大な八ケ岳の自然を満喫していた。生徒の一人(12)は「初めて見た。登山は大変だけど、山の上で小さくてきれいな花を見ることができてよかった」と話していた。