茅野市郊外の観光地巡るバス 今年も実証運行

昨秋に実施したシャトルバスの実行運行。のらざあとシャトルバスの接続地点の一つ「栗平」で=昨年9月3日
ちの観光まちづくり推進機構(DMO)は21日、茅野市やバス運行会社と連携し、同市郊外の車山高原、白樺湖、蓼科湖、御射鹿池などを巡るシャトルバス「八ケ岳西麓レイクリゾートシャトル」の実証実験を29日から行うと発表した。昨秋に続く2回目の運行で、前回は乗車料が無料だったが、今回は有料とし、利用者の動向や持続可能な運行体制の検討に役立てる。期間は10月29日までの土、日、祝日と8月11~20日の計36日間。
市内の山麓エリアの観光地や別荘地は、中心市街地から多方向に扇状に広がっており、それぞれの観光地を結ぶことで観光客の滞在日数の拡大や各観光施設の利用促進が見込まれている。市外から電車を利用して訪れる観光客のJR茅野駅から観光地までの移動を担う二次交通や観光地域内の移動を担う三次交通の充実は、市の観光振興の課題の一つになっている。
昨秋は9~11月の土、日、祝日計31日間、バス運行会社2社計4台を利用して実施した。人工知能(AI)を活用して最適なルートを設定する乗り合いオンデマンド交通「のらざあ」と3カ所で接続できるようにバスのルートを組み、期間中2107人が利用した。アンケート結果では、滞在先から市内観光地を訪れても運転を気にせず食事の際に飲酒を楽しめることなどが評価された。一方で乗車無料が利用の動機付けになった点も考慮する必要があるため、今年度は有料にした場合の需要を探る。
ルートは昨秋と同様で、車山~白樺湖(10便)、白樺湖~北八ケ岳ロープウェイ~蓼科湖(7往復便)、蓼科湖~御射鹿池~三井の森~チェルトの森(4便)の3路線。白樺湖~北八ケ岳ロープウェイ~蓼科湖ルートはバス2台、ほかの2ルートは1台を運行する。
観光情報やポイント管理などができるスマートフォン用のアプリ「信州八ケ岳」を取得すると、各ルート上のバス停計70カ所に加え、実際にはバス停がない計22カ所でも乗車できる新サービスを追加した。
乗車券は1日乗り放題で中学生以上1000円、小学生500円、未就学児無料。グリーンシーズンから紅葉シーズンにかけての36日間の運行で2920人以上の利用を目指す。総事業費は1971万円。このうち1074万円は観光庁の補助金で賄う。観光施設など16カ所で紙チケットを販売するほか、同アプリ利用者は電子決済ができ、電子チケットを発行する。問い合わせはちのDMO(電話0266・73・8550)へ。