2016年12月10日付

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面白いものである。音楽が定額で聞き放題のネット配信が本格化したころから、レコードの人気が再燃してきたという。回転するレコードに針を落として音を聞く。年配者には懐かしく、若い人には新鮮なのかもしれない▼レコード針の最大手「ナガオカ」によると、レコード針の生産量は全盛期に月産120万本を超えていた。しかし1980年代以降のCD普及で需要は急減。事業撤退も検討したほどだった。「一人でもレコードを聴く人がいる限り」と踏ん張ったかいあって、月産10万本を割った生産量が最近は20万本まで回復したそうだ▼特に興味があるわけでないが、レコード文化が消えなくて良かったと思う。レコードの音は柔らかいなどといわれる。デジタルのCDやネット配信、アナログのレコードにそれぞれの良さがある。選択肢があっていい▼デジタル主体となった写真の世界でもフィルムが生き残っている。いろんな方法で表現活動を発信し、それを楽しめる。デジタルにしろアナログにしろ、大事なことは「選べる」ということだ。その多様さが新しい芸術の創造につながるかもしれない▼日本ユネスコ国内委員会は「文化の多様性は全人類の利益のために保全されるべきもの」とうたっている。みんなが同じ方向を向くのでなく、いろんな表現や方法があり、それぞれの違いが尊重される。多様性そのものが文化ということだろうか。

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