2023年7月24日付
中東のイスラエルは、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率が3.04(2020年)で、先進国ではトップを保っている(中日新聞、22日付)という。背景として同国は「子どもを育てるのが人生最大の喜びと考える人が多い」と専門家がコメントしている▼一方、日本の合計特殊出生率は1.26(22年)で、1947年以降最低となり、年間に生まれた子どもの数は約77万人で、1899年の統計開始以来初めて80万人を割り込んだ。ちなみに国の人口動態統計によると、統計上過去最高の出生数は1949年の約269万人だ▼私自身、通算3人の子どもがいて1人は社会人になり、2人は学生生活の終盤を迎えているが、学費負担は大きく、あと2人が社会人になる頃には我が家は赤貧の真っただ中だろう▼先日、高校生の子どもを持つ同級生が飲み会の席で「自分は親に大学へ行かせてもらったのに、自分の子どもを大学に行かせないわけにはいかない」と大きくため息をついた。コロナ禍の影響で収入が減り「学費の工面が厳しい」と吐露した▼イスラエルの人に限らず子どもはかわいい。ゆえに親は子の将来を案じる。最近は自治体でも年々、教育費の補助制度を充実させており、子育てする側は助かっている。大変、大変ふがいない親の立場からすれば、さらに奨学金返還に対する助成制度の拡充をお願いしたい。