シルバーリハビリ体操 伊那市が指導士養成

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日常生活に必要な動作を練習できるシルバーリハビリ体操に挑戦する人たち

伊那市は、日常生活に必要な体の動きをトレーニングできる「シルバーリハビリ体操」の指導士養成講座を8月から9月にかけて市内で開く。県内では初の試み。「頭を洗う」「寝返りをする」などの動作に使う関節や姿勢を改善し、加齢に伴う身体機能低下の軽減につなげる体操で、指導士は地域の健康増進の一翼を担う。対象は市内在住者で常勤職に就いていないおおむね50歳以上の人。定員約20人。締め切りは8月10日。

シルバーリハビリ体操は、茨城県立医療大学付属病院の大田仁史名誉院長が考案。理学療法士が患者のリハビリテーション治療に用いる運動を体操として仕上げた。各都道府県の理学療法士会などが窓口となって市町村への導入を支援し、現在は16道県の92市町村で実施している。

道具や音楽を使わず、場所や時間に関係なく手軽にできるのが特徴。例えば、腰痛予防には「自分を抱きしめるように両肩をつかみ、ゆっくり顔と一緒に体を左右にひねる」、転倒予防には「片足を反対側の足の上にのせ、指を1本ずつ曲げたり反らしたりする」などがあり、関節の動く範囲や筋力を保ち、暮らしに必要な動作につなげる。

講座の周知のため21日に市内で開いた講演会には約120人が参加した。ビデオ出演した大田名誉院長は体操の必要性を「障がいを負っても、年を取っても、人間らしく暮らし、最期まで人間らしくあるため」と紹介した。石川県理学療法士会の石田修也さんの指導による体験もあり、80代女性は「体のどこに効果があるのか分かりやすかった」と話していた。

養成講座は8月24日~9月21日の午前10時~午後4時(初回のみ午前9時半から)の全6回。会場は同市山寺の市福祉まちづくりセンターと市保健センター。原則、毎回受講できることが条件で、指導士認定後はボランティアとして体操の普及などに協力してもらい、地域住民の健康づくりとともに、高齢者の交流機会の創出も目指す。

市は「コロナ禍で家に閉じこもる人が増え、フレイル(虚弱)の進行が心配。地域で集まる活動を増やすため協力を」と呼び掛けている。

申し込み、問い合わせは市福祉相談課(電話0265・78・4111)へ。

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