下諏訪で鹿肉本格提供へ 商議所プロジェクト

勉強会では各店が互いに紹介しながら調理方法を共有した
有害鳥獣捕獲したニホンジカの肉を活用したまちおこしに取り組む下諏訪商工会議所は、下諏訪町内の飲食店や旅館での鹿肉料理の本格的な提供に向けて準備を進めている。今年2月から飲食業関係者を対象とした鹿肉料理勉強会を毎月開き、調理方法やメニューを共有した。今後、町内共通の認証制度をつくり、各店舗で鹿肉料理を味わえる環境を整え、地域ブランド化を目指す考えだ。
■飲食業関係者対象に毎月勉強会
町内で捕獲されたニホンジカの多くが埋設されている現状を知った同商議所が、「中期商工業振興ビジョン」の地域資源商品開発プロジェクトの一環として、昨年から鹿肉の活用を模索。その後、下諏訪猟友会のメンバーがジビエの加工・販売の資格を取り販売所を設立したことを受け、町内での流通にめどが立ったことから、次は鹿肉を取り扱う店舗を増やそうと勉強会(全6回)を企画した。
勉強会では調理実習を行い、前半は既に鹿肉料理を提供する店主らが、「焼く」「揚げる」「煮る」の調理法ごとポイントを伝授。後半は各店が考案した「鹿肉ソーセージ」「鹿スパイスカレー」「鹿団子のつけそば」「鹿肉ラーメン」「鹿丼」などのメニューを紹介。鹿肉らしい風味を残しつつ余分な臭みを消す工夫など、調理時の注意点も共有した。
■地域ブランド化 ジビエを売りに
同商議所では、町内共通の認証制度を設けて各店舗で鹿肉料理を味わえるようにするとともに、各種キャンペーンやイベントの実施、まち歩きの促進などを展開し、町全体を巻き込んでブランド化を進めていく方針。26日の最終回では、参加者が鹿肉の普及や認証制度の仕組みなどついて話し合う予定だ。
小林秀年会頭は「下諏訪でこれから伸び代がある分野は『食』だと思う」とし、「ぜひ若い人の力を借りながら事業を成功させ、ジビエを下諏訪の売りにしていきたい」としている。