2023年7月25日付

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区の統合・再編の必要性をどのように感じていますか。諏訪市が市内の区長に尋ねた。選択肢は三つ。今すぐ必要、将来的には必要。半数の区長がそう答えたそうだ。そのうち8割は100世帯未満の小規模区が多い上諏訪地区だった▼区長を複数回経験した人は全体の3割。役員のなり手不足や地域活動の停滞が浮き彫りになり、課題の解決が望めない現状が、調査結果にしっかり示されている。住民自治は曲がり角に立っている▼「町中に『限界集落』がある」。JR上諏訪駅近くの繁華街に暮らす80代男性がそう語っていた。大きな工場や事業所が移転し、かつてのにぎわいが消え、空き家が増えた。きれいなマンションに暮らす人もいるが、路地には高齢者が高齢者を見守り、病気や災害におびえながら、寄り添い生きる現実がある▼区の世帯数を増やし、助け合いの仕組みを維持する。区長たちが統合・再編に難局打開の道を見いだしていることは想像に難くない。市の調査では、世帯数の増加に伴い、地域活動が活発だと感じる割合も高まる傾向が出た。市は「200世帯以上」が分岐点とみる▼住民同士が助け合い、住みやすい地域にする活動は、江戸時代、いや縄文時代からずっと続いてきたのではないか。人口減少や少子高齢化、生活様式が多様化している。区の在り方をどのように感じていますか。区長から区民に尋ねてみるのもいい。

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