絹本日本画の美しき透明感 岡谷美術考古館

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透明感あふれる作品が並ぶ会場で来場者と言葉を交わす花岡さん(右)

透明感あふれる作品が並ぶ会場で来場者と言葉を交わす花岡さん(右)

岡谷市湊の絹本日本画家、花岡哲象さん(65)の「第58回絹本日本画展―天界の師友に捧ぐ此岸の花」が、同市の岡谷美術考古館で開かれている。一貫して絹本を追求している花岡さんの近作約40点のほか、花岡さんが主宰する冬麗社絹絵研究会員の作品10点を展示。絹本独特の美しい透明感のある色彩と、花岡さんが「個の融けるときめき」と言う自然観に満ちた作品が来場者の心をとらえている。13日まで。

花岡さんは諏訪清陵高校から東京学芸大に進み、同大学院修了後、聖徳大学で21年間美術指導にあたり、「東洋画の宇宙観」などの画論を発表した。同大学助教授を経て1999年に帰郷し、アトリエ「澄神洞」を構えた。絹本は絵絹という絹地に描いた日本画で、昭和初期までは主流だったものの、現在は紙に描いた紙本がほとんど。一貫して絹本を追求している花岡さんは数少ない画家の一人として知られる。地元での個展は昨年6月以来となる。

今回は冬の上高地大正池、蓼科の御射鹿池、四季折々の八島湿原などで得た心象を描いた作品を展示。絵に込めた思いを詠んだ「逝きし人去りし人等の面影を浮かべ消えゆく蛍の舞は」など、自作の短歌を記した短冊も飾った。30号を中心に12号から40号の作品が並んでいる。

絹本の魅力について、展示用に裏打ちする前の美しい透明感を「半霊半物質」と語る花岡さん。「自然の中に自分を投影する日本人特有の自然観を絵で表現した」作品が、来場者を魅了している。

入場無料。11日午後2時から花岡さんによるギャラリートークもある。開場時間は午前10時30分~午後6時30分。毎日午後2時~6時30分は花岡さんが会場にいる。

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