総文祭へ合同バンド 上伊那の高校生大役

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上伊那5高校でつくる合同バンドの練習。29日に開幕する総文祭に出場する=21日、駒ケ根市文化会館大ホール

上伊那地域の5高校(伊那北、伊那弥生ケ丘、伊那西、赤穂、辰野)の吹奏楽部員でつくる合同バンドが、第47回全国高校総合文化祭の吹奏楽部門(31日~8月1日、鹿児島県)に出場する。上伊那の高校生にとって12年に1度巡ってくる大役。部員たちは出場機会の巡り合わせを喜び、「練習を重ねて信頼関係が芽生えた」というチームで大舞台に臨む。

総文祭は1977年から各都道府県が持ち回りで開催する高校生による芸術文化活動の祭典。今年は7月29日~8月4日に鹿児島県で開き、全国から高校生が集まり全22部門で発表する。

吹奏楽の代表は県内4地区(北信、東信、中信、南信)が持ち回りで選出。南信は3地域(上、下伊那と諏訪)から順番に選出するため、出場機会が巡ってくるのは12年に1度となる。合同バンドは2、3年生を中心に伊那北37人、伊那弥生ケ丘21人、伊那西8人、赤穂6人、辰野3人の計75人で編成。昨年1月に結成し、月1回の合同練習を続けてきた。

発表する演目は「エル・カミーノ・レアル」と「銀河鉄道999」。「エル・カミーノ・レアル」は「王の道」を意味する。ストーリー性があり、序盤と終盤は華やか。中盤は静かな曲調で、恋人を亡くした王の悲哀が描かれ、「心の内の悲痛な叫びを音にし、観客にイメージが伝わる演奏」を目指す。

23日には赤穂高の定期演奏会に出演し、演奏した。チームをまとめる伊那北3年の部長(18)は「(仕上がりは)まだまだ…。周りの音を聞けていない」と課題を冷静に分析する。各校は29日にコンクールの中南信地区大会を控え、総文祭の練習に割ける時間は限られる。残り約1週間。「練習が足りていない」と焦りがにじむ。

一方、他校の生徒と練習する中で「部員一人ひとりが成長した。経験がコンクールにも生きている」と刺激し合う関係に手応えも。部長の生徒は「貴重な機会に最高学年として参加できてうれしい」と喜びを語り、「県外の高校の演奏を聞く機会はなかなかない。他校の演奏を聞くのが楽しみ」と表情を和らげた。

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