現代美術家リレー 中川村美術館30周年展

開館30周年記念展が始まったアンフォルメル中川村美術館。現代美術家7人のリレー展示式で、初回は館内などに丸山晋一さん、持田敦子さんの作品が並ぶ
中川村大草のアンフォルメル中川村美術館の開館30周年記念展「新・空間縁起」(村教育委員会共催)は27日、同館で始まった。南信地方にゆかりのある現代美術家7人による「リレー展示」を11月末にかけて実施する。期間中は住民参加・参画型の展示やワークショップなども計画する。
同館は画家で詩人の実業家の鈴木松【山に松】(横浜市出身、1898~1998年)が私費を投じ、建築家の毛綱毅曠(1941~2001年)の設計で1989年に建設。その後村が購入する形で譲り受けて93年に開館した。以来県内で数少ない現代美術館として運営。鈴木の業績を尊重し、現代美術家のリレー展示を主軸とする記念展を企画した。
彫刻や絵画など各分野で活躍する芸術家が参加。初回は2人で、伊那市出身でニュージーランド在住の写真家の丸山晋一さん(55)が、水と光をテーマに「究極のビジュアル」を追求した作品など15点を並べる。東京都出身で飯田市在住の持田敦子さん(34)は、同館外部にインスタレーション(空間芸術)を展示しており、足場材を利用した仮設的な構造物を組み立てた。
記念展のオープニングセレモニーが同日あり、参加する芸術家のほか、宮下健彦村長と片桐俊男教育長らが出席。あいさつで片桐教育長は「村民に愛される美術館にしていくため、子どもたちが芸術を体験できる環境づくりを進めたい。そのスタートとなる記念展になれば」と期待した。
丸山さんと持田さんの展示は8月21日まで。29日午後1時からと30日同1時30分から丸山さん、29日同2時から持田さんのアーティストトークがある。開館時間は午前10時~午後5時。火、水曜日休館。入館料は一般400円、高校生以下無料。問い合わせは、同館(電話0265・88・2680)へ。
今後の日程は次の通り。
▽中谷聡展(8月26日~9月18日)▽北澤一伯展(9月28日~10月22日)▽宮坂了作パフォーマンス(10月22日)▽塚田裕展・眞板雅文展(11月9~30日)