「土用の丑の日」前にうなぎ店大忙し 伊那

厨房で背開きしたウナギを焼く塚原慎也店主=28日、伊那市のつかはら
30日の「土用の丑の日」を前に、上伊那地方のうなぎ料理店では1年で最も多忙な時期を迎えている。連日厳しい暑さが続く中で、かば焼きを焼く厨房は「灼熱」の暑さ。各店では熱中症に気を付けながら、次々に入る注文の対応に追われている。
伊那市上新田の「つかはら」では、3代目店主の塚原慎也さん(50)が背開きのウナギを手際よく焼いていた。祖父の代から70年以上も継ぎ足してきたという秘伝のたれにくぐらせて焼くと、香ばしい匂いが広がった。
塚原さんによると、 同店のウナギは本場直送の静岡産。祖父や父から見よう見まねで受け継いだ調理法でかば焼きを作り、持ち帰り専門で予約を受け付けている。
最近は当日の混雑を避けて前倒しに注文するケースが多く、今年も15~17日の連休から予約が増えたという。それでもピークの28、29日は2日間で約300人前、30日は約600人前の予約があり、「これからだとお断りする場合もあります」と塚原さん。保冷剤入りのタオルで首を冷やしたり、扇風機で厨房の通気を良くしたりとさまざまなな暑さ対策を講じて”本番”に臨んでいる。
価格は据え置きの1人前2300円。塚原さんは「土用の丑の日を過ぎても暑い日は続く。特売日もあるので、おいしいうなぎでスタミナを付けて夏を乗り切って」と呼び掛けている。