戻ってきた岡谷の夏 きつね祭盛況

100個の風船を飛ばして開幕した「第71回岡谷きつね祭」
岡谷市の「第71回岡谷きつね祭」は29日、同市のイルフプラザや童画館通りなどを会場に行われた。実行委員会を組織するおかや童画館通り商業会、イルフプラザ店舗会、いとまち商業会ごと縁日など多彩なイベントを企画。多くの市民が訪れ、夏の一日を楽しんだ。
岡谷きつね祭は、男狐社とされる新屋敷区の長塚稲荷(幸町)と女狐社とされる岡谷区のお福稲荷(中央町)の両社から花婿、花嫁の行列が約2キロの道中を練り歩き、中央通りの大辻で人前式を挙げていた。商売繁盛や縁結びの御利益があるとされ、約240年前の天明年間から行われていたが、明治維新の廃仏毀釈で中断。1953(昭和28)年に中央通り商業会が復活させた。
コロナ禍に伴うイベント中止を経て昨年から縁日などを復活させたが、名物の「狐の嫁入り行列」は4年連続で中止した。
縁日では子どもたちが射的や輪投げ、ヨーヨーすくいなどを楽しみ、キツネのフェースペイントや綿あめづくり体験、かき氷が人気を博した。ステージでは100個の赤い風船を空に放ち、オープニングを飾ったほか、岡谷区長持ち保存会などによる長持ちやご当地アイドルのパフォーマンスが花を添えた。
市内から3歳の長男と訪れた30代の女性は「コロナで各地のイベントが減り、お祭り気分は久しぶり。岡谷の夏が戻ってきた感じがします」と笑顔を見せていた。