広島の高校生 原爆体験談を絵に 辰野で展示

原爆の悲惨さを伝える広島の高校生が描いた絵画作品
辰野町役場と辰野町民会館ホールで、被爆地・広島の高校生が描く「原爆の絵」が展示されている。6日に同会館で「平和のつどい」を開催する実行委員会が展示したもので、被爆者の体験談を実際に聞いた高校生が被爆当時の惨状を克明に描いた作品約60点を展示している。
作品は、広島平和記念資料館が広島市立基町高校の協力を得て2007年度から制作しており、毎年同校普通科創造表現コースの生徒が取り組んでいる。証言者の被爆体験を詳細に聞き取った生徒は、証言者の持つイメージや写真資料を基に構図を練り、何度も確認作業を行いながら1年かけて証言者の記憶に残る被爆時の光景を絵に仕上げている。
会場に展示した絵は、原水爆禁止長野県協議会から借りた複製。肌が焼けただれる被爆者、焼却を待つ遺体の山、原爆さく裂時のキノコ雲、遺体が漂う川など当時の惨状を生々しく伝えている。また作品ごと制作した生徒、証言者のコメントも掲示。描かれた場所も地図で示している。
同実行委員会の春日幸雄委員長は「誰もが戦争のない平和な世界を望んでいるが、今もどこかで戦争が行われている」とし、「戦争体験のない高校生が自分のことのように考え描いたその心に触れてほしい」と話している。
展示は役場が4日、町民会館は6日まで。平和のつどいは6日午後1時30分からで、来春公開のドキュメンタリー映画「沖縄、再び戦場へ(仮題)」のスピンオフ作品(45分)を上映。鑑賞後はディスカッションも行う予定。