2023年8月3日付
ケーブルテレビのLCVで生放送された原村長選の報道特別番組に出演する機会があった▼過去、何度も選挙報道には携わってきたが、こちらは原稿を執筆して読者の皆さんに読んでもらう形式。入念に取材を重ねて得た情報を基に、取材相手の話を交えながら記事を構築していく。一方でテレビのコメントは、状況に応じて臨機応変に対応しなければならない場合もある▼開票作業がほぼ終了した様子がテレビに映し出されるが、村選挙管理委員会からの公式発表はない。そうしているうちに、当選した候補者の陣営が独自に「万歳三唱」を始める。シナリオの予定は変更。用意してあったコメントだけでは足りないとみるやアナウンサーが問い掛けてくる。とっさに考えて何とかコメントする。冷や汗ものだった▼番組の中では映像ならではの良さも再認識した。2候補者の人柄に迫る「19の質問」。自身の性格分析や座右の銘、趣味などをアナウンサーがテンポ良く聞いていく。村長を目指す候補者としての公約や政策に対する回答とは全く違った一人の人間としての意外な一面が垣間見られた▼新聞業界はインターネット発信はもとより、動画コンテンツの必要性が指摘されている。記者がカメラの前に登場し、記事の内容を語る時代が遠からずやってきそうだ。書き手の顔が見えることで、テレビと同様に、読み手の親近感も増すのではないかと思う。