「車いすのギタリスト」川崎さん 演奏と講話

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演奏で来場者を楽しませる川崎昭仁さん=県福祉大学校

諏訪市清水の県福祉大学校で3日、一昨年夏の東京パラリンピック開会式で演奏した「車いすのギタリスト」、川崎昭仁さん(55)=長野市=によるコンサートがあった。福祉について学ぶ公開講座の一環。集まった学生や親子、地域住民ら約60人を前に、演奏や講話を通して共生社会への思いを伝えた。

川崎さんは幼少期の高熱で手足にまひが残り、車いすの生活を余儀なくされた。ギターを始めたのは、両腕がなく足だけで弾くギタリストをテレビで見たことがきっかけ。独自の演奏スタイルで、長年にわたり音楽活動を続けている。13年ほど前まで茅野市で生活。現在は県社会福祉協議会の職員を務める。

東京パラの開会式については、憧れていたギタリストの布袋寅泰さんと共演したエピソードを紹介。さまざまな障がいのある人が役割を与えられてショーができたと振り返り、「世界の理想であり、共生社会の縮図だと思った。見た人にメッセージが伝わり、あんな世の中になれば」と思いを語った。

自身の体験を基に、「楽しいという気持ちは伝染する」と川崎さん。「みんながいい人生だと思える生き方をすれば、世界中の人が幸せになれる」と力を込めた。

コンサートでは、子どもにもなじみ深いアニメのテーマ曲、東京パラの開会式でも演奏された映画「キル・ビル」のテーマ曲などを披露。応援ソング「パプリカ」もあり、学生を中心に歌いながら踊った。

参加した同校保育学科2年の学生(19)は「音楽が好きで、演奏に感動した。障がい者だからと色眼鏡で見ることなく、その人自身を見ていきたい」と話した。

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