信州天文文化100年 県文で記念巡回展

とかげ座新星発見に関する資料が並ぶ「信州天文文化100年」
日本最古級のアマチュア天文同好会とされる諏訪天文同好会の発足100周年を記念した企画展「信州天文文化100年」が5日から、伊那市西町の県伊那文化会館で始まる。同会の会員が残した観測記録や県内にある天文研究施設の科学成果など約70点を展示。併せて長野市在住の星景写真家、大西浩次さんによる写真展も開いている。27日まで。
同館と茅野市八ケ岳総合博物館、長野市立博物館などが主催する巡回展。1922年の設立から100周年を迎え、多くの人に影響を与えた諏訪天文同好会の歩みを振り返る展示を企画した。
同好会は旧制諏訪中学校(現諏訪清陵高校)の地理教師、三澤勝衛の教え子が中心となって発足。太陽黒点や流星、変光星の観測などを行ってきた。会場には初代会長の河西慶彦が残した変光星観測記録や、「とかげ座新星」を発見した五味一明に米国の変光星観測者協会が贈ったメダルなど貴重な資料を展示。また県内の観測施設として東京大学木曽観測所(木曽郡木曽町)、野辺山宇宙電波観測所(南佐久郡南牧村)、臼田宇宙空間観測所、美笹深宇宙探査用地上局(以上、佐久市)を紹介している。
写真展「永遠の瞬間」では、大西さんが辰野町のしだれ栗森林公園や上田市の菅平高原などで撮影した星空の写真22点と大型の星景タペストリー3点を展示。星空の魅力を伝えている。県伊那文化会館は「長野県は星との関わりが深い場所であり、美しい星空を見ることができる場所に住んでいることを改めて感じてもらいたい」としている。
入場無料。開場時間は午前9時~午後5時。月曜日と会期中の22日は休館。問い合わせは同館(電話0265・73・8822)へ。