2023年8月5日付
記事を書く際の決まりごとをまとめた「最新 用字用語ブック」(時事通信社)の最新版が弊社でも記者に配布されたので、以前から表記に迷っていた言葉を調べてみた。「持続可能な」という意味の英単語は「サステナブル」なのか「サステイナブル」なのか「サスティナブル」なのか。残念ながら掲載されていなかった▼国語辞典を幾つか引いてみると、「サステナブル」で見出しを立て、別の読み方として「サステイナブルとも」と示しているものが多いようだ。インターネットの検索でも「テナ」の用例が圧倒的に多い。とはいえ、「持続可能」という訳語も浸透してきたので、固有名詞などでない限りは使うのを避けることにしている▼環境はもとより医療、観光、農業、労働など、あらゆる分野の政策で頻出するので常に気になる単語だが、では「持続可能」とはどういうことなのか、どうすれば「持続可能」になるのか▼先日の県野生鳥獣被害対策本部会議で、辰野町川島区の取り組みを紹介した獣害対策支援員の根橋正美さんは、地域の皆さんの「ずく」を持続させることの大切さを強調していた。どの分野でもモチベーションの維持は課題だ▼根橋さんは「繰り返す」「手を変え品を変え」とその取り組み方を話した。「持続可能性」は比較的新しい時事用語だが、ふと芭蕉の俳諧の理念として知られる「不易流行」という言葉を思い出した。