2016年12月13日付

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茶道の世界では相手に最大限のおてもなしをするために心を尽くす。一つ一つの作法はルールではなく、「相手を思いやった結果に自然に出る心の働き」なのだという▼諏訪市は市立小中学校で独自教科「相手意識に立つものづくり科」に取り組んでいる。ものをただ作るのではなく、使ってもらう相手を決め、要望を聞いてどうしたら喜んでもらえるか、使いやすくなるかを考える▼今年3月には諏訪西中の生徒3人がものづくり科の授業で作った傘立てを地元公民館に寄贈した。「雨の日に多くの人に利用してもらいたい」。手触りにこだわろうと、やすりがけに時間を費やし、木の本来の色を大切にするためニスだけを塗った。使う相手の気持ちを思うことが、さまざまな工夫につながった▼横浜市で東日本大震災による原発事故で福島から避難している中学生が名前に「菌」を付けて呼ばれるいじめがあったと報道された。中学生は手記で「しんさいでいっぱい死んだから つらいけどぼくはいきるときめた」とつづった。何度も死のうと思ったとも書いている。手記に至るまでどんな思いがめぐったのだろうか▼諏訪市内の小中学生がものづくり科で製作した品を販売する「チャレンジショップ」が今月17日に開かれる。2600点に及ぶ商品が並び、売り手は小中学生自身が務める。創意工夫が光る品々が家族らいろんな人を喜ばせるに違いない。

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