誰もが気軽に音楽を バリアフリーコンサート

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車いすの人や高齢者らが集まり、音楽を楽しんだバリアフリーコンサート=原田泰治美術館

諏訪地方の店舗や公共施設のバリアフリー化を進める「らくらく入店の会」は5日、諏訪市渋崎の原田泰治美術館でシンガーソングライター吉川忠英さんのギターコンサート「音楽のつどい」を開いた。障がいの有無にかかわらず、気軽に子どもから高齢者まで芸術に親しめるようにと企画。完全バリアフリーの館内に約50人が訪れ、生の演奏や作品鑑賞を楽しんだ。

エレベーター前の2階ホールがステージ。車いすの人や杖を突いたお年寄りらが、家族とともに集まった。吉川さんは、同市出身で画家の故原田泰治さんの作品題材にちなみ、「ふるさと」をイメージして選曲。なじみ深い楽曲の「カントリーロード」などが温かな音色で演奏され、観客は口ずさんだり、笑い声を上げたりして、和やかな夏の時間を過ごしていた。

脳にまひが残る20代の長女とともに訪れた安曇野市の54歳男性は「車いすで入店できる場所は限られる。一緒に音楽を楽しめ、娘も喜んでいる」と目を細めた。同会メンバーで原田さんの長女美室さんは、新型コロナが収束に向かう中で「待ち望んだ声が多くあった。継続していきたい」と語った。

会は2019年に設立。原田さんをはじめ、難病で車いす生活を送る本金酒造専務の宮坂恒太朗さん、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんらが発起人となった。現在約60の施設・店舗が登録。コンサートは障がい者らの外出を支援する「ユニバーサル・サポートすわ」、諏訪ポピュラー音楽協会と共同で企画した。

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