スリランカの空の下で2 中小企業海外展開

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漏水の探査方法を指導する藤木所長。「専門的な技術を持つ人材を育てることが、事業の継続につながると考えています」

漏水の探査方法を指導する藤木所長。「専門的な技術を持つ人材を育てることが、事業の継続につながると考えています」

「メーターを交換したら水道使用量が2割ほど上がり、壊れているのではと言われたこともあります」

スリランカ中部に位置する古都、キャンディとその周辺で水道の漏水などを防ぐ「無収水削減事業」に取り組むテスコアジア(名古屋市)。キャンディ事務所の藤木健次所長(57)は、計測が正確になったことにより寄せられた指摘に苦笑いを浮かべた。

同社は水処理事業などでアジアを中心に海外展開を図っており、昨年3月、JICAの中小企業海外展開支援事業としてキャンディ地区で無収水削減の取り組みをスタートさせた。

支援事業は、中小企業の優れた製品や技術を途上国の開発に活用することで、途上国の開発課題の解決と、日本の国内経済を活性化することが目的。企業が海外進出を検討する際の基礎調査や、製品や技術と開発ニーズのマッチングを探る案件化調査、現地での適合性を確かめる普及・実証事業について、JICAが情報収集や計画立案などを支援し、事業委託で経費も一部負担する。

キャンディ地区は経済成長に伴う人口増で水不足が深刻化。JICAの円借款事業で浄水場を建設するなど水道事業の整備が進む。ただ給水管からの漏水などにより配水量が収入に結び付かない無収水の割合が34%に及んでおり、水道経営の健全化に向け無収水対策が課題になっている。

同社は普及・実証事業で、キャンディ地区の3カ所にパイロットエリアを設定。6000戸を対象に水道メーターを取り換えたほか、地元作業員に漏水発見器を使った探査方法を指導した。漏水を防止するための給水管施工の技術も伝えている。

漏水探査の作業員はこの半年ほどで5人を育成した。藤木所長は「水道メーターの販売も大切だが、漏水探査を専門的なビジネスに育て、地元の若者が食べていけるようにしていきたい」と話し、「あと2倍は探査員を育てたい」と将来を見据える。

一方、「優れた製品や技術があっても、普及・実証後に事業化するためには資金が必要で、体力が乏しい中小企業にとっては大きな課題。外国企業との競争も激しい。海外進出をもう一押ししてくれる支援があれば」と話した。

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