2023年8月9日付

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長野県は海に面していない内陸県の一つ。「海なし県」とも呼ばれる。周囲を山々に囲まれた中で育った信州人は海への憧れを少なからず抱いている。私自身、大人になった今でも海を見ると心が弾む▼だいぶ前から長野県の人々に「信州の海」として親しまれているのが、お隣の新潟県上越の海。砂浜が広く水質は良好。交通網が整備された今では、南信地方からでも高速道路を使えば2時間半ほどでたどり着く。長野市からなら1時間余り。日帰りで気軽に行けるのも人気の理由だろう▼先日、上越地方に出掛ける機会があった。海水浴場や近くの海産物店の駐車場には見慣れた「松本」「長野」ナンバーの車がずらりと並び、家族連れでにぎわいを見せていた。磯の香りが漂う海岸沿いで夏の空気を感じつつも、さながら長野県にいるよう。「信州の海」と呼ばれるゆえんである▼新潟県の発表によると、2022年度の上越地域の海水浴客入込数は約20万7300人。コロナ禍前の半数以下にとどまった。海水浴に欠かせない海の家は休業が目立ったが、今年は通常営業する店が多いという。スタッフの一人は日焼けした顔で「長野からたくさんの人に来てもらいたいね」と話していた▼暦の上では「立秋」を過ぎたが、まだまだ暑い日が続く。間もなく盆休み。海水浴に出掛ける人もいるだろう。距離が近くても慣れない場所。事故には十分ご注意を。

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