諏訪湖上花火大会 旧東バル跡地に露店集約

花火の見物客で立すいの余地もない諏訪市湖畔公園野外ステージ近くの湖岸線。今年は両側に並ぶ露店がフードコートに移転、集約される=2017年の様子
諏訪市の諏訪湖で8月15日に開く第75回諏訪湖祭湖上花火大会の実行委員会は、4年ぶりに開催する今回の花火大会で諏訪湖イベントひろば(旧東洋バルヴ諏訪工場跡地)にフードコートを新設し、花火打ち上げ会場周辺の市道湖岸線に並んでいた露店を集約する。にぎわい広場と位置付け、花火打ち上げ会場の群衆と物理的に分離することで、混雑の緩和を図る初めての試み。
韓国ソウルの繁華街、梨泰院で日本人2人を含む159人が死亡した昨年10月の雑踏事故を踏まえた安全対策。諏訪湖畔で祭りの雰囲気を盛り上げていた600の露店は旧東バル跡地に集約される。
市観光課によると、フードコートには諏訪街商組合と諏訪市飲食店組合連合会から約100店舗が並ぶ予定。店舗の配置は検討中で、飲食用のテーブルは設けるが、長時間滞在して花火を観覧することができない。開場時間は午前10時~午後9時30分。3カ所に出入り口を設け、混雑状況に応じて入場制限を行う。
過去の湖上花火大会では、桟敷席に入場する行列と、飲み物や食べ物などを購入しようと露店前に並ぶ人、行き交う歩行者が歩行者天国の湖岸線に混在していた。露店に移転してもらうことで、人の流れをコントロールしやすくなり、安全が向上するという。
7月26日夜に市役所で開いた警備局会議では、消防団から「(露店があった場所への)立ち見や座り込みが増えるのでは」と指摘があった。事務局は早めの声掛けで退去を促すよう協力を求めたが、「けが人や病人の救護が本来の業務。トラブルになる恐れもある。対策を講じてほしい」と要請した。事務局は場内放送で人の流れをつくるよう求めていく方針を示した。
総務局長の中島英司経済部長は、4年ぶりの大会開催で運営方法にも変更があることに触れ、「新たな課題が生まれる可能性がある。会議の情報をそれぞれの団体で共有し、なるべく課題を解決した上で8月15日を迎えたい」と語り、理解と協力を求めた。