諏訪湖に浮かぶ台船にサウナ 一般利用へ試行

アロマを含む水蒸気の中でサウナを楽しむ参加者たち
諏訪湖で今夏、日本全国の絶景地点でサウナの魅力を発信する男女2人組「TABISAUNA(旅サウナ)」が湖上に浮かべた台船でサウナを楽しむ「フローティングサウナ」に挑戦した。地元有志の協力を得て今月11日までの約1カ月間、会員制で試運転。岸から離れた湖上で行うのは国内初といい、今後は一般利用の受け入れに向けて可能性を探っている。
■地元の協力得て会員制で試運転■
TABISAUNAは、神奈川県横須賀市在住の松本理央さん(31)と下出美優紀さん(35)によって2020年に結成。フィンランド政府公認のフィンランドサウナアンバサダーでもあり、国内を中心に無人島や滝、雪山など自然を生かしたサウナイベントやツアーを手掛けている。
サウナ関連商品も扱う豊島屋(岡谷市)の林邦信専務(46)、諏訪湖上に台船を持つウインドウェーブ(諏訪市)の森山広社長(64)との出会いをきっかけに、22年8月に諏訪湖で花火を見ながら心身を整えるサウナ体験会を試験的に開催。地元の人の協力を得る中で恩返しをしたい思いが膨らむと同時に、日本でのフローティングサウナの可能性を強く感じたという。
フローティングサウナは、縦10メートル、横14メートルの台船に木造のサウナ室のほか、滑り台やブランコ、ハンモックなどアスレチックを搭載。サウナストーブからアロマの水蒸気が発生するサウナ室で汗を流した後、諏訪湖に入ったり、台船上に設置した水風呂に浸ったりして、ハンモックやレジャーマットで休憩する。

台船上にサウナ室と滑り台やハンモックなどのアスレチックを搭載したフローティングサウナ
■四季折々の景色 諏訪と相性抜群■
7月15日~8月11日に体験会を実施し、約300人が参加。3日に参加した小口修示さん(43)=岡谷市東銀座=は「諏訪湖は軟水で肌触りが非常によく、諏訪湖の周りを見ながらサウナを楽しめるのが最高だった」と話した。
フローティングサウナは12、13日に解体する。今後はフローティングサウナを諏訪湖上に常時開設し、不特定多数の人が参加できる一般向けのイベントを行っていきたい考え。県諏訪保健福祉事務所によると、公衆浴場法に基づく県の営業許可が必要になるという。
森山社長は「若い人たちが諏訪を盛り上げようとしてくれてうれしい」とし、林専務は「サウナが新たな諏訪湖の活用につながれば」と期待。松本さんは「サウナは1年中楽しめるので四季折々の景色が魅力の諏訪と相性が抜群」とし、「諏訪の観光資源の一つになってほしい」と意気込んでいる。