スリランカの空の下で3 中小企業海外展開

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大型プラントが建設され、生ごみ堆肥化の取り組みが始まったクンダサーレのごみ処理場。家庭で分別された生ごみが運び込まれている

大型プラントが建設され、生ごみ堆肥化の取り組みが始まったクンダサーレのごみ処理場。家庭で分別された生ごみが運び込まれている

経済成長が続くスリランカでは、住民の消費拡大や生活の変化によりごみの排出量が急増し、環境問題と合わせ大きな課題になっている。

国中央部のキャンディ県クンダサーレ地区。山あいにある石灰石の採掘跡地が、ごみ処理場として利用される。家庭ごみがそのまま投棄されるため、ごみは腐敗し表面水や地下水を汚染。強い悪臭を放ち、周辺住民の健康や衛生面への影響が懸念されている。

地元自治体は昨年、こうした状況を改善しようと、家庭ごみの約6割を占める生ごみを堆肥化する取り組みに着手した。このプロジェクトに微生物資材などのカワシマ(群馬県)が、JICAの中小企業海外展開支援事業を活用して参加。大型のスクリュー型コンポストプラントを設置し、このほど稼働を始めた。

装置は自動撹拌で生ごみを短期間で発酵させ、堆肥を製造する。現在は試運転としてクンダサーレを含む4市から持ち込まれる1日約10トンの生ごみを処理。将来的には8市から寄せられる1日約16トンの生ごみから6トンの堆肥をつくり、農家へ販売する仕組みを確立したい考えだ。

クンダサーレ市役所では、製造された堆肥を使い、玄関先やベランダなどで花や野菜を栽培して事業の有効性を市民にPRしている。同市のアタウダ助役は「国の発展とともにこれからもごみは増え続ける。スリランカは農業国でもあり、堆肥化の技術や分別収集が広がれば、よい循環のサイクルをつくることができる」と期待を寄せる。

JICAによると、スリランカは経済成長や治安の安定、穏やかな国民性に加え、地勢的に中東やアフリカへの進出拠点にもなり得ることから、中小企業海外展開支援事業の申請件数は増加傾向。農業や環境分野が多いという。日本貿易振興機構(ジェトロ)も「総人口は2000万人余で市場規模は大きくないが、その分競争相手も少ない」と中小企業が進出しやすい環境にあると指摘する。

一方、在スリランカ日本大使館の藁谷栄一等書記官は、民間連携事業の意義を認めた上で「企業の利益ばかりを考えると成り立たない。ODAの目的や開発国の課題、要望をよく見極めてほしい」とくぎを刺した。

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