シェフの小林さん 故郷の諏訪市で市長と語る

金子ゆかり市長とのトークイベントを行うミシュラン三つ星シェフの小林圭さん=14日、諏訪市役所
諏訪市中洲出身で、パリで活躍するミシュラン三つ星シェフの小林圭さん(45)が14日、諏訪市役所を訪れ、金子ゆかり市長とのトークイベントを行い、少年時代の夢や故郷の諏訪、地域の子どもたちへの思いなどを語った。小林さんは、2021年度の市制施行80周年記念で新設した市長表彰特別賞を受賞。トークイベントに先立って顕彰式が行われ、金子市長が「市民に夢と希望を与えてくれた」と表彰状を贈った。
小林さんは諏訪南中学校卒業後にフランス料理の道に進み、国内での修行を経て1999年に渡仏した。レストラン「KEI」のオーナーシェフとして活躍。フランスの飲食店格付け本「ミシュランガイド」で日本人として初めて三つ星を獲得し、世界中の食通から注目されている。
「野球少年だった。甲子園に、プロ野球に行きたいという夢を持っていた」という小林さん。フランス人シェフのドキュメンタリーをテレビで観て「シェフのユニホームに憧れたのが始まり」と、フランス料理の世界に進んだきっかけについて語った。
「諏訪は生まれ育った大切な場所。諏訪で育ったからいまの自分がある」とし、地域の子どもたちに向けて「ライバルをつくらないこと。ライバルはいまの自分。いまの自分を超えていれば、時間を無駄にしない」とメッセージを送った。信州や諏訪地方の魅力的な食材の一つに発酵食品を挙げた。
小林さんは、自身が料理監修した高級ホテルのフレンチレストランのメニュー刷新などに合わせて7月末に一時帰国。諏訪市への帰郷は4、5年ぶりという。一昨年の市制施行80周年記念式典はコロナ下で参加できなかったが、フランスからビデオメッセージを寄せていた。