終戦記念日に響く平和の鐘 上伊那仏教会

恒久平和を願って梵鐘を鳴らす角田隆真副住職=伊那市の常圓寺
終戦記念日の15日、上伊那地方の寺院で戦争犠牲者の慰霊と恒久平和を願う「平和の鐘」が鳴らされた。
上伊那地方の約100の寺院が加盟する上伊那仏教会が長年各寺に呼び掛けて続けており、戦争で犠牲になった人たちの冥福を祈るとともに、平和の大切さを改めて考えてもらうのが目的。原爆が投下された8月6日と9日にも行っている。
伊那市山寺の常圓寺では、正午のサイレンに合わせ、副住職の角田隆真さん(37)が鐘楼堂で10回釣り鐘を打ち鳴らした。
境内の丸山公園には「原爆の火」が灯る平和の塔があり、広島から移植された被ばくヤナギや被ばくアオギリが育つ同寺は平和を祈念する思いがひときわ強い。
上伊那仏教会の会長で同寺住職の角田泰隆さん(66)は「今年は終戦から78年だが、学徒出陣から80年でもある。私のおじは昭和18年の学徒出陣で戦争に行って亡くなった。戦争になると若者が駆り出され、多くの人が犠牲になる。今年は特にその思いが強い。戦争は悲惨なものであり、決して二度と起こしてはならない」と強調していた。