湖上に轟き煌めき復活 諏訪湖花火大会

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二つの半円の花火が両側から近づき、湖面にも映り込む「水上スターマイン」。

4年ぶりとなる第75回諏訪湖祭湖上花火大会(諏訪湖祭実行委員会主催)が15日夜、長野県諏訪市の諏訪湖で行われた。直撃が予想された台風7号は近畿地方にそれて雨も降らず、予定通り水上スターマインなど23セットを打ち上げた。「4年ぶりの轟と煌めき!『貴方とともに諏訪湖の花火』」と銘打ち、豪華絢爛(けんらん)な花火でコロナ禍からの復活をアピールし、光と音の供宴で湖周を埋めた大観衆を魅了した。

夏の風物詩「諏訪湖の花火」は、戦後の復興を願って1949年に始まり、目前の湖上で開く大迫力の花火と盆地特有の音響効果が人気を集め、国内屈指の大会に成長した。新型コロナウイルスの影響で2020年は史上初の中止としたが、21、22年は分散開催で歴史をつないできた。

実行委会長の金子ゆかり諏訪市長は、台風被災地に思いを寄せて「花火大会の観客席のパワーを届けてほしい」と呼び掛けて点火。特大のスターマインがさく裂すると、おなかに「ドスン」と響く大音量とともに明滅する光が観衆の笑顔を照らし、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。

大会は2部構成。第1部の競技花火は県内外の煙火店10社が華やかさとアイデアを競った。第2部はスターマインを繰り広げ、直径3000メートルに広がる尺玉が音楽に合わせて次々と上がり、大輪の花火が夜空を彩った。半円状の花火が左右から接近し、湖上の初島で出合う諏訪湖名物の水上スターマイン「キス・オブ・ファイヤー」で締めくくった。

実行委は今回、全国的な統一基準がないことや各地の花火大会に倣って花火の打ち上げ発数と来場者数の発表を見送った。打ち上げ会場の初島付近の湖畔には桟敷席2万8000席が設けられ、このうち有料席2万席の約半数を市民に先行販売した。フードコートを新設して混雑緩和を図ったほか、臨時駐車場に事前予約制を導入するなど、コロナ後の花火大会を模索する新たな試みも展開した。

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