諏訪湖の砂でペアグラス ガラスの里など

諏訪湖の砂を原料にした「諏訪グラス」を手にする(左から)村山さん、ガラスの里の岩波会長、AGCの中川さん=SUWAガラスの里
信州諏訪ガラスの里(諏訪市)や素材メーカーAGCなどによる地域協創プロジェクトで、諏訪湖の砂を原料にしたグラスが完成した。プロジェクトの協力者で、国内外の砂や石でその土地ならではの作品を制作する「海馬ガラス工房」(仙台市)の村山耕二さんが、湖に流入する最大河川の上川沖の砂で制作。2個セットのペアグラスとし、限定50セットで予約注文を始めている。
上川沖のしゅんせつを進める県や業者と交渉し、必要な手続きをした上で砂を採取した。村山さんによると、調合はしているものの、約80%は上川沖の砂を生かして制作するといい、「河川から流れてきた土砂にはいろんな不純物が入っている。それを一緒くたに溶かすことによって、土地の色(上川流域の色)を出した」と話す。
深みを帯びた黒褐色で、自然光を通すと美しいあめ色に輝く。「何となくだが(諏訪の)鉄平石の成分が入っているように思う。糸魚川-静岡構造線と中央構造線がぶつかる諏訪湖。地質的な特性が作用したと感じるので、グラスの色の表現は難しいが、フォッサマグナ色としたい」と村山さん。湖面をイメージした形や質感も特徴で、「このグラスで諏訪五蔵のお酒を飲んでいただけたら」と望む。
ペアグラスは、「皆木工作舎」(松本市)の皆木雅彦さんが県産カラマツで制作した箱に納め、税込み2万7500円で販売する。引き渡しは12月中を予定している。問い合わせはガラスの里(電話0266・57・2000)へ。