スリランカの空の下で4 協力隊員

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分別によるごみ減量化に取り組む前原さん。「経済成長が進めばごみの種類は多様化する。今からリサイクルの意識を定着させたい」

分別によるごみ減量化に取り組む前原さん。「経済成長が進めばごみの種類は多様化する。今からリサイクルの意識を定着させたい」

JICAがスリランカに派遣しているボランティアは現在76人。これまでの累計では1000人を超え、アジア地域では最大規模の派遣国だ。隊員らは駒ケ根訓練所を巣立ち、コミュニティー開発や農業、環境などの分野でそれぞれの課題に向き合っている。

「行政はあと5年は大丈夫と言っていますが、1、2年が限界ではないでしょうか」。最大都市コロンボの南、ケヒワラ・マウントラ・ヴィニアにあるカラディアーナ最終処分場。ここを拠点にごみの分別処理の啓発活動や環境教育を行う、青年海外協力隊員の西かおりさん(24)=京都府出身=は、経済発展とともにスリランカが抱える課題の現場を案内してくれた。

コロンボ周辺の7市町村からごみが集まってくる同処分場は、内戦が終結した翌年の2010年に運営を始めた。当初は利用期間を10年と見込んでいたが、住民生活の変化は予想を上回り、約15ヘクタールの敷地はほぼ飽和状態。減量化に向け昨年8月から生ごみの堆肥化に着手し、それに合わせるように関係自治体でも分別収集が始まった。

その一つ、ケヒワラ・マウントラ・ヴィニア市は、ごみ対策費が年々増加。総予算15億ルピー(約11億5000万円)の約20%を占め自治体運営を圧迫しているため、昨年10月にごみの分別に踏み切った。隊員の前原無量さん(28)=兵庫県出身=はここの市役所に勤務し、分別の現場で知恵を絞っている。

前原さんは分別状況をデータ化して課題抽出や解決策の検討を行う一方、住民向けの啓発パンフレットを作成。さらにモデル事業として生ごみを入れてもらうプラスチック製バケツも2500戸に配布した。この取り組みで生ごみの収集量は100トンから600トンに増加。年間50万ルピーの経費削減につながった。

一層の減量化を目指し、郊外にリサイクルセンターを設置。ペットボトルやアルミ、スチールなど生ごみ以外の分別も始めた。市担当職員は「新しい機械が到着すれば作業効率は上がり、リサイクルは進むはず」と期待する。

前原さんは「少しずつ理解してもらえるようになってきたが、こちらの人たちは将来を見据えて計画的に取り組むことが苦手。道は険しいですが、粘り強くやるしかないです」と笑顔で話した。

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