「貫構法」使った民家見学 井戸尻考古館

貫構法を使った民家を見学する参加者
建築技術の記録や保存に取り組む「貫構法研究会」と富士見町の井戸尻考古館は19日、八ケ岳山麓の家に見られる伝統工法「貫構法」を学ぶイベントを開いた。町内外から17人が参加。同館近くに残る貫構法を使った民家を見学し、伝統的な建築文化に触れた。
同会メンバーで職業能力開発総合大学の樋口貴彦准教授の案内で行った。同会は、昨年の乙事諏訪社御柱祭の際に、貫構法の木やり台を作成。使用後は解体されていたが、井戸尻史跡公園に移築し、8月末まで展示されているのに合わせて企画した。
参加者は、「穴を開けた柱に材木を通し、木製のくさびを打ち込んで固定する」といった貫構法の概要について説明を受けて出発。マップを手に探索し、同町池袋区内にある民家3軒や道祖神などを巡った。
30年ほど前に原村から移築したという民家では、実際に土間に入って見学。住民らから、「垂木を壁に並べて張り付けた」「使える木はすべて使用して建築した」など、当時の話やこだわっている部分を聞き、じっくりと構造を見ていた。
参加した大和田卓さんは「伝統工芸に触れる機会はあまりないので楽しかった。地域の景観を考えると貴重な建物だと思う」と感慨深げだった。