2023年8月23日付
暑い日が続くが、朝晩は空気が心地いい。心なしか、寝苦しい夜が少なくなったように感じる。学校はそろそろ新学期。信州の短い夏が終わろうとしている▼新型コロナの5類移行後、初めて迎えた夏休みシーズン。各地で祭りや花火大会などの催しがあった。仕事と私用で訪れる機会が何度かあったが、繰り出す人たちは4年分の思いを爆発させているよう。かつてのにぎわいが戻り、明るいニュースを届けてくれた▼会場は来場者で活気に満ちあふれ、懐かしさとともに新鮮さを感じさせた。すべてがコロナ前と同じとはいかないまでも、久しぶりの再開に胸躍らせた人は少なくないだろう。数年間中止された行事の復活に自然と笑顔も戻る。子どもたちの生き生きとした表情がいい▼スポーツの世界でも日常が戻りつつあるようだ。甲子園で開催中の全国高校野球選手権。主催者によると、初日から準決勝までの入場者数累計は59万7200人。前回大会の決勝までの56万6500人を3万人上回っている。夏の甲子園はきょう決勝を迎える▼1年前の小欄で、東北勢として初優勝を果たした仙台育英(宮城)の須江航監督のインタビューを引用させていただいた。コロナ禍に翻弄(ほんろう)され続け、我慢を強いられた高校生をねぎらい「青春って、すごく密」の言葉。コロナが収束したわけではないけれど、子どもたちにとって思い出に残る夏になっただろうか。