左手で励む電子ピアノ 茅野の榛葉さん

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9月のコンサートに向けてリハーサルを行う榛葉和夫さん=茅野市のデイサービス「茶の間」

茅野市中大塩の榛葉和夫さん(71)は、昨年3月に脳梗塞で倒れ、右上下肢まひの後遺症が残るが(要介護1)、利き手ではない左手で電子ピアノの練習に励んでいる。スケートや陸上、ロードバイクなどに打ち込んだスポーツマンが新たな趣味を見つけた。9月24日には諏訪中央病院のリハビリ棟で患者たちを元気づけようとコンサートを開く。デイサービスを訪問してリハーサルも行い、準備に余念がない。

電子ピアノは妻の勧め。8月に退院し自宅で週2回のリハビリを受けていたが、左手の訓練にと今年に入って始めた。購入した電子ピアノは卓上型で、さまざまな曲や機能が内蔵され、鍵盤が光るタイミングで押していくとメロディーになり、楽譜が読めなくても弾ける。榛葉さんはまったくの初心者だったが毎日2~3時間、こつこつと自主レッスンを続けるうちに指1本でもいろいろな曲を弾けるように。演奏の採点も表示され「100点が出たこともあるよ」と笑顔で話す。

リハーサルは7月27日、担当のケアマネジャー伊藤早苗さんが管理者を務める同市米沢のデイサービス茶の間で行った。榛葉さんの希望と、榛葉さんの前向きな姿を利用者に見て日々の励みにしてもらいたいという伊藤さんの思いが一致。「四季の歌」「いい日旅だち」「禁じられた遊び」「見上げてごらん夜の星を」など10曲を披露。利用者も一緒に歌い、大好評だった。ゆっくりした口調でスケートの国際マスターズなどに出場したことや、目的を持って生きる大切さも語った。

榛葉さんはコンサートの目的を「障がいを抱える人の多くは家に引きこもりがちになるが、頑張ればできることがあることを知ってもらうとともに、当事者同士が集う会が発足するきっかけになれば」と願っている。

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