2023年8月24日付

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車を走らせると、街中で自転車に乗る人が増えているように感じる。本格的なツーリング、レンタル用で走る観光客、買い物で使う地元住民など目的はそれぞれ。新型コロナの感染防止で利用者が増加しているとの指摘もある▼警察庁によると、自転車の交通違反検挙件数は増加傾向だ。2020年の統計では「信号無視」が最多。「遮断踏切への立ち入り」、スマートフォンを操作する「ながら運転」といった「順守事項違反」なども目立つ▼スピードが出ている自転車が近くを通り過ぎると怖さを感じることがある。一歩間違えれば大事故につながりかねない。警察庁は、自転車の取り締まりに「交通反則通告制度(青切符)」の導入を検討している。青切符は現在、自動車などの比較的軽い違反に対して反則金を納付する仕組みになっている▼自転車の取り締まりは今、刑事罰の対象になる「赤切符」が交付されることが多いが、検挙件数のうち起訴されるのは数%にとどまるという。こうした背景もあって制度見直しが必要との声が上がる▼自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となって約5カ月。駒ケ根署などは管内事業所で、危険な運転を実演する交通安全教室を開いている。通勤での利用者に自転車の怖さを伝える好事例だろう。取り締まりの制度変更は必要だとしても、一人一人の意識の持ち方が、やはり交通安全の一番の肝になる。

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