在来植物豊かに 霧ケ峰の園地ススキ刈り取り

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霧ケ峰・強清水園地でススキを刈り取ったり、収集したりする参加者

霧ケ峰自然環境保全協議会は24日、諏訪市の霧ケ峰・強清水園地でススキの刈り取り作業をした。一帯を所有する下桑原牧野農業協同組合の組合員やボランティア、県職員ら約40人が参加。ススキの勢いが衰えて多様な植物が育つようにと願いを込め、0.7ヘクタールの作業区域内で草刈り機を動かした。2014年度から毎年ススキ刈りを継続してきた結果、在来植物が豊かになってきたという。

人為的管理で草原を維持していた昭和30年代前半の植生と景観を目標とする「霧ケ峰自然保全再生実施計画」に基づく取り組み。霧ケ峰の”玄関口”と言われるインターチェンジ駐車場前の園地に集まり、2班に分かれて作業。機械で刈ったススキをボランティアと職員が収集したり運搬したりした。

作業区域内で咲くマツムシソウ。ススキ刈りの効果もあって咲き具合がいいという

刈り取りを担った下桑原牧野関係者は「刈るほどススキがないよ」。県霧ケ峰自然保護センター(諏訪市)によると、園地では電気柵でシカの食害を防いでいるほか、継続したススキ刈りの効果もあって初秋の代表花・マツムシソウの咲き具合も良好という。

刈ったススキは引き続き堆肥にして有効利用する。同日のうちに富士見町内の堆肥化施設に運び込んだ。

下桑原牧野は5月の林野火災で焼けた霧ケ峰・富士見台にも所有地がある。河西俊三組合長は「燃え跡から青々とした芽が吹き、生命力の強さを感じた。ただ、(草原再生のために人為的に行う)火入れにもリスクが伴う。マンパワーでススキ刈りを続け、在来植物が育ちやすい環境にしたい」と話した。

実施計画に基づく今年度の作業は次回で最終となり、車山肩東側でニッコウザサを刈り取る。計画策定から10年が経過したことから、これまでの効果を検証しながら年度内に計画を見直すことにしており、作業部会での検討作業を進めていく。

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