伊那北高ラグビー部 72年の歴史を一冊に

伊那北高校ラグビー部の歴史をまとめたブックレット「伊那北高校ラグビー部通史」
伊那北高校(伊那市)同窓会は、9月8日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に合わせ、薫ケ丘ブックレット第3号「伊那北高校ラグビー部通史」を発行した。同校28回生でラグビー部OBの浦野守さん(66)=同市西箕輪=が編著し、創部から72年間の歴史をまとめ、現役生や監督、OBらの青春あふれる活躍、交流を紹介。部員不足に悩む現役生を後押ししたい―と、ブックレットを勧誘活動に役立ててもらう考えだ。
ブックレットは同校創立100周年記念事業の一環で2021年に発行した通史「伊那北高校百年史」の補完冊子として刊行している。百年史編さん委員を務めた浦野さんは同窓会事務局から提案を受け、長野日報社での記者経験を生かして健筆を振るった。OBら約20人に取材したり、原稿を依頼したりし、多くの人が読みやすいように物語風に仕立てた。
1951年のラグビー部立ち上げ時に始まり、長年、指導者に恵まれず、現役部員がOBに支えられながら手探りで全国高校ラグビーフットボール大会、通称「花園」を目指し、奮闘してきた軌跡を記した。華々しい活躍が続いた黄金期のほか、創部50年目の2001年にラグビー部OBで高校ラグビーの指導経験があり、当時教諭だった埋橋浩校長を監督に迎えた転換期、現在に至るまでの部の様子、後輩を手厚く支えるOB会の活動も紹介している。
浦野さんは「伊那北ラグビーで結ばれた絆は、私たちにとってとてつもなく大きな財産になっている」とし、サブタイトルにラグビー名選手の言葉「Rugby opens many doors(ラグビーは多くの扉を開いてくれる)」を据えた。一方で、部員不足を憂い、「ワールドカップを機にラグビーへの関心が高まる中、ブックレットが部員を増やす一助になってほしい」と願う。
ブックレットは1000部作成。部員やOB、学校関係者ら約700人に配布し、上伊那の各図書館に寄贈。希望者には同窓会事務局で受け取るか、事務局に120円分の切手(送料)を送り、郵送してもらう。問い合わせは伊那薫ケ丘会館(電話0265・72・7312)へ。