スリランカの空の下で5 協力隊員2

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集落の路地で呼び止められ、住民と雑談する加藤さん。「自分の物差しでなく、現地の文化や考え方を理解する大切さを学んでいます」

集落の路地で呼び止められ、住民と雑談する加藤さん。「自分の物差しでなく、現地の文化や考え方を理解する大切さを学んでいます」

古都キャンディのマハイヤーワ地区にある集落。共同トイレの改修計画をめぐり、市職員と住民らが路地の一角で討論していた。「集会を開いても集まらないので、現場で説明することが多いんです」。青年海外協力隊員の山下真央さん(30)=兵庫県出身=が説明してくれた。

国民の2割弱を占めるタミル人が多く住む集落。狭い路地でつながる長屋の雰囲気で、約1000世帯が暮らす。市の清掃業務や肉体労働に従事する人が多い。

加藤愛子さん(27)=愛知県出身=は、一度バングラデシュに着任したものの政情不安で派遣換えとなり、今年3月からスリランカに。分別収集支援や清掃員の教育などを担当している。清掃員の7~8割がこの集落に住んでいるため、加藤さんの活動拠点の一つになっている。

加藤さんによると、清掃業務は清掃員の欠勤による人手不足が課題。管理する市職員や出勤作業員の負担増、ごみ回収の予定がずれることによる住民の不満などが問題になっているという。加藤さんは勤怠管理や清掃員の意欲向上に向けた仕組み作りを目指し、住民と信頼関係を築きながら課題抽出に励んでいる。

「協力隊だからこそ、地域に入り込み、現地の人と近く接することができている」と加藤さん。「本音を引き出すのに苦労しているが、現地の文化や住民の考え方を理解した上で、外からの視点を加えて課題を発見していきたい。その難しさに悩みつつ、楽しんでいます」。

二宮梢さん=福岡県出身=も、キャンディで活動する隊員の1人。市職員と協力し、ごみの分別や減量化の啓発活動に取り組んでいる。

特に力を入れているのが子どもたちへの教育。学校や幼稚園へ出向き、ごみを減らすことやリサイクルの大切さを伝えている。自分が任期を終え帰国した後も環境教育を続けてほしいと、分別のルールなどを分かりやすく絵や図にまとめた教材も作成。市内45地域それぞれを担当する職員らを対象に研修会を開き、教材の使い方を教えている。

「ポイ捨てはだめということから、リサイクルの必要性を理解してもらえるまで、一緒に考えながら歩みを進めていきたい」と意欲的だ。

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