新型コロナ 県が「医療警報」発出

新型コロナ医療警報発出について会見する関副知事
県は29日、新型コロナウイルス感染症の医療アラート2段階のうち、1段階目の「医療警報」を発出した。新型コロナ感染症の感染症法上の扱いが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した5月8日以降、初めての発出。5類移行後の医療アラートは入院者数300人以上を医療警報の目安としており、速報値で27日現在の県内の入院者は341人に上っている。
県内の定点医療機関当たりの感染者届け出数は今年第33週(8月14~20日)で19.67人と前週の1.48倍になり、9週連続で増加している。60代以上の感染者数の増加に伴い入院者数も増加傾向で、最新の確定値で8月21日は297人。その後の人数は暫定的だが、23日に300人を超えて301人、27日には341人まで急増した。
29日に会見した関昇一郎副知事は感染者の増加について、「お盆の影響も考えられるし、全国的にも増加傾向で、ピークアウトは見通せない。入院者数もすぐに減少に転じるとは考えにくい」と現状を説明。「医療の逼迫を回避して、重症化リスクの高い人を守るために医療アラートを発出した」と述べた。
県は、手洗いや換気、「3密」回避の基本的な対策に加え、医療機関や高齢者施設を訪問する際は施設の感染対策に協力してマスクを着用するよう呼び掛けている。重症化リスクの高い人は換気の悪い場所や近い距離での会話を避け、混雑した場所ではマスクを着けることも推奨する。ワクチン接種の検討も呼び掛けていく。
発熱した場合は出勤や登校など外出を控えることを検討し、重症化リスクが高い人や症状が重い人はかかりつけ医や県新型コロナ受診・健康相談センター(電話0120・924・444)へ相談してほしいとしている。
医療アラートは医療警報と医療非常事態宣言(入院者数500人以上)の2段階。最短で10日間は発出を続け、その後、基準を下回れば、専門家の意見を聴取した上で解除する。
県は5類移行後の県内の感染状況について、毎週水曜日に月曜日までの数値を発表しているが、医療アラート発出中の入院者数は翌日の夕方に集計して翌々日の午前10時ごろにホームページで発表する(土日祝日は除く)。