小ブナの出荷始まる 駒ケ根市内

出荷用の小ブナを網ですくい計量するJA上伊那の職員=駒ケ根市南割
上伊那地方の秋の郷土料理「小鮒の甘露煮」にされる小ブナの出荷が30日、駒ケ根市内で始まった。体長4センチほどに育ったフナがいけすから水揚げされ、生きたままJA上伊那の各店舗に送られた。出荷は9月末まで続き、今年は総量約4.5トンを販売する計画だ。
フナは、JA上伊那鮒部会に所属する同市、飯島町、中川村の8人が養殖。5月にふ化した稚魚をミジンコや人工飼料で育てた。
このうち、先代から養殖を続けて約50年になる竹花邦男さん(80)=南割=宅では、水田で育てたフナを数日前に自宅横の「さらし升」と呼ばれるいけすに移し、泥を吐かせて出荷用に準備。初日には「活魚」などとして店頭に並ぶ約90キロ分を袋詰めした。
フナは源流が中央アルプスの太田切川の水で養殖。体長は例年3~5センチと不ぞろいだが、今年は豊富な水量と餌で大半の魚が約4センチと形ぞろいになり、竹花さんも「過去最高の出来栄え」と満面の笑み。「料理すればいい味になる。秋祭りに合わせて食べてほしい」と呼び掛けた。