時代を越えて咲くヘブンリーブルー 富士見中

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校舎3階のベランダまで伸び多くの花を咲かせる富士見中のヘブンリーブルー

富士見町富士見中学校校舎南側の壁面で西洋アサガオのヘブンリーブルーが見頃を迎えている。約100本のロープに沿って伸びたつるは3階にあるベランダのフェンスに達しており、約8メートルにまで成長。近くの道路や広場からも確認できるほどの高さで、地域住民の間でも「見応えがある」と注目を集めている。

同校では10年ほど前から緑のカーテンとしてアサガオとゴーヤを育てていたが、昨年からアサガオに統一。今年はスクールサポーターが市販の種10袋を購入し、5月にポットにまいた。

6月に環境緑化委員会の生徒27人が教室横の庭へ定植すると、夏の日差しを浴びてぐんぐん成長。夏休み前には2階へ達した。ロープを継ぎ足して成長を支え、7月頃から花を付けた。

ヘブンリーブルーを知るきっかけになった恩師が配ったプリント「脱線記」140枚を手にする小林さん

同校の前身の富士見高原中学校を1961年に卒業し、20年近く同品種を育てている小林克明さん(77)=同町御射山神戸=は「あれだけバランスよく咲かせるのは難しい」と舌を巻く。

小林さんは中学の学級担任だった古牧久義先生を介して、ヘブンリーブルーを知った。私生活やシンガポールなどへの従軍体験などを細かい字で埋めてクラスに配ったプリント「脱線記」に、「色は空のような青」「棚いっぱいになります」などと登場したのが脳裏に残った。

旅先で見掛けたのをきっかけに栽培を始め、今年も自宅前の畑に植えたほか、地域の人にも鉢植えを贈った。かつての恩師が愛でた花が時代を超えて母校に咲く姿に、小林さんは「限りない青色がいいね」と目を細める。

草取りや水やりの世話をしている環境緑化委員会委員長の生徒(15)は「地域の方に関心を持ってもらえてうれしい。きれいに咲いてよかった」と、花がつないだ不思議な縁に笑顔を見せた。

富士見中では9月いっぱいまで現在の状態にしておくという。

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