関東大震災と上伊那 高遠町歴史博物館企画展

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震災発生当時の被災状況や支援活動を伝える新聞や地域資料などを展示した企画展=伊那市の高遠町歴史博物館

関東大震災から100年を迎え、伊那市高遠町歴史博物館は、企画展「関東大震災と上伊那地域-次の100年に備えて」を同館で開いている。当時の新聞や上伊那地域に残る関連資料、資料を基に作成した統計表などを展示し、被災状況や上伊那で行われた支援活動を紹介している。10月9日まで。

1923年9月1日午前11時58分に発生した大震災は、死者・行方不明者が推定10万5000人に及び、明治以降の日本の地震被害としては最大規模。県内でも東北信を中心に被害があった。同館は、次の100年に備えて身近な地域の過去に学び、次世代につなぐ機会として展示を企画した。

会場には大震災があった翌日以降の新聞を並べ、地元の富県尋常高等小学校(現同市富県小学校)に残されている学校日誌、中箕輪村(現箕輪町中箕輪、中曽根)や片桐村(現中川村片桐)の役所の震災関連資料などを展示。関東をはじめとする被災地の状況や上伊那での動きを紹介している。上伊那では、各役所や学校、婦人会などが義援金や衣料品、食品を集めて送ったり、鉄道で辰野などの駅まで避難してきた被災者のために上伊那郡役所が救護所を設置したりと、支援活動に励んだ様子が分かる。

塚田博之館長は「当時の資料から、被災地に思いを寄せ、できる限りの支援をしてきた人々の様子が分かる。歴史から地域の人々の取り組みを学び、これからの災害に向けた備えを考えてほしい」と来場を呼び掛けている。

午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分)。入館料は一般400円、高校生以下無料。休館日は9月4~8日、同18日を除く毎週月曜日と19日。問い合わせは同館(電話0265・94・4444)へ。

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