駒ケ根、宮田産二条大麦のウイスキー試飲会

地元産二条大麦を使用したウイスキーを試飲する関係者ら
駒ケ根市と宮田村で栽培した二条大麦「小春二条」を100%原料としたウイスキーの製品化に向けて、初の試飲会が1日、同市駒ケ根高原のレストラン味わい工房で開かれた。伊藤祐三市長や小田切康彦村長、製造・栽培関係者ら約30人が参加し、同村新田の本坊酒造マルス信州蒸溜所で2020年に初仕込みを行った3年熟成のモルトウイスキーを試飲。香りと味わいを楽しみ、それぞれ意見を交わしながら製品化やブランド化を期待した。
地元産原料にこだわったウイスキーとビールの製造を目指す「駒ケ根市・宮田村二条大麦プロジェクト」の一環。二条大麦の栽培は、農業の6次産業化や水田の新たな転作作物を探る中、15年度に始まった。現在は両市村の15農家ほどが約1100アールで栽培している。
収穫した麦を原料に、17年から地ビール「宝剣岳Ale(エール)」を醸造。20年以降はウイスキー造りにも取り組み、初年度は麦1・8トンを仕込んだ。数年後の製品化を目指している。
試飲会では同蒸溜所の担当者らが、ウイスキーの特徴などについて説明した。製造主任の河上國洋さん(36)によると、製造工程では麦を主役とし、特徴を生かすことができるように工夫。「優しい甘みやバニラのような香り、かんきつ類のようなフレッシュさが感じられて期待できる」と評価し、「より良く仕上げるために、今後も熟成を重ねたい」と話した。