高遠そば博物館開館 「発祥の地」PRに一役

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そば道具など2千点超の資料が並ぶ高遠そば博物館

「信州そば発祥の地」の知名度向上につなげようと、そば文化や歴史を発信する「高遠そば博物館」が1日、伊那市高遠町に開館した。地元のそば振興会などでつくるプロジェクトチームが運営。同町のご城下通りの蔵を活用し、国内外のそば道具や種子など2千点超を並べた。イベントに合わせた不定期開館とし、2日に初めて一般公開する。

展示の目玉は、江戸時代に高遠を拠点に石材加工を手掛けた高遠石工の石臼だ。武蔵国に移住した石工が作り、残存数が少ないとされる伊奈臼を東京都あきる野市内から寄贈を受けて紹介。信州大学農学部(南箕輪村)が収集した国内外の貴重なソバの種約1200点、江戸時代以降に作られたそばちょこ約430点など豊富な資料がそろった。

同発祥の地を宣言した伊那市だが、知名度不足を課題と捉えた「信州そば発祥の地 伊那そば振興会」など関係団体によるチームが開館に向け準備してきた。今月22、23日には発祥の地のルーツを解説する高遠そば大学が開講する。このほか、そば店開業を目指す人向けの別のカリキュラムも検討中。拠点となる博物館から魅力を発信し、桜に頼らない通年観光の実現を図っていく考えだ。

1日の式典は博物館代表の井上直人・信州大名誉教授(70)が開館を宣言し「そばに焦点を当てた博物館は世界で唯一。人間は風味とともに情報も食べる生き物と言われる。おいしい情報を提供したい」。6月に発足したばかりの自民党蕎麦振興議連初代会長に就いた地元選出の宮下一郎衆院議員は「そば文化の拠点として多くの人が集い、地域発展につながれば」と期待した。

2日は同町で開かれる「高遠城下まつり」に合わせた一般公開で午後1時30分と同3時30分から井上さんの展示案内と講演がある。

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