「怒らない指導」でバレー大会 茅野で10月

「監督が怒ってはいけない大会」に合わせて開くアンガーマネジメントセミナーへの参加を呼び掛ける大会実行委員長の宮﨑和浩さん
子どもたちが楽しくスポーツに取り組める環境づくりを目指し、「監督が怒ってはいけない大会in長野」と銘打った小学生バレーボール大会が10月7日、茅野市で開かれる。バレーボール女子元日本代表の益子直美さん(57)が提唱して全国で開いている大会で、県内では初開催。大会実行委員長の宮﨑和浩さん(37)=諏訪市四賀=は「時代に合った指導の在り方を考える機会になれば」と期待している。
同大会は「怒る指導」は子どもたちの心の成長を妨げ、考える機会を奪うとして、益子さんが2015年から始めた。「監督が怒ってはいけない」というルールの下、監督やコーチにはできないことを叱るのではなく、チャレンジしたことを褒めるなど前向きな声掛けに努めてもらう。これまでに福岡や神奈川、秋田などで開き、指導者の意識改革を図ってきた。
中学時代にバレーボール部に所属していた宮﨑さんは、子どもたちが伸び伸びとプレーできる環境をつくろうと、4月に男女小学生チーム「GODERE(ゴデレ)」を立ち上げた。5月に新聞記事で「監督が怒ってはいけない大会」を知り、勝敗にこだわらず楽しむことを最優先する大会理念に共感。同チーム保護者や地元チームの監督らで実行委員会をつくり、開催に向けて準備を進めてきた。
大会には12チームが出場する予定。初めに益子さんが選手・指導者に向けて講話をした後、順位を付けない方式で1チーム3試合ずつ行う。試合中に監督が怒る場面があれば益子さんが中断し、監督に場面に合った指導法を促すという。
大会前日の10月6日午後6時からは、益子さんを講師にアンガーマネジメントセミナーを諏訪市内で開く。中学・高校の部活動顧問のほかクラブチームの監督、コーチなどスポーツに関わる指導者が対象。怒りの感情をコントロールする方法や習慣を身に付け、これまでの指導方法を見直す機会にしてもらう。
長野大会は、今後も年1回ペースで開催していきたい考え。宮﨑さんは「少子化で競技人口自体が減る中で、時代に合った指導をしていかなければ減少傾向に拍車をかけることになる」と危機感を口にし、「この大会が定着していき、他の競技にも広がっていってくれたらうれしい」と話している。
セミナーの定員は先着20人。申し込み締め切りは9月15日。大会運営費として協賛金を同22日まで募っている。いずれも申し込み、問い合わせは同実行委員会(電子メールmasukocup.nagano@gmail.com)へ。