2023年9月3日付

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バスケットボールの本場、米国のプロリーグNBAでは、3点シュートが攻撃の主力になっているそうだ。ゴール下の大男が決める豪快なダンクシュートは2点、小柄でも遠くから入れば3点。身長はゲームを支配する要素の一つにすぎない▼沖縄などで開催中のワールドカップで日本が躍動している。1日時点で通算成績を2勝2敗としてアジア最上位。2日のカボベルデ戦に勝てば来年のパリ五輪切符を手にする。自力出場となれば1976年のモントリオール大会以来48年ぶりの快挙だ▼飛び抜けた体格と身体能力がなくても、高確率の3点シュートで試合に勝利し、観客を魅了できる。フィンランド戦の河村、富永両選手や、ベネズエラ戦の比江島選手の活躍を見ていると、彼らの合言葉「ショック・ザ・ワールド(世界に衝撃を)」にもうなずける▼高校生だった1990年、週刊少年ジャンプで連載が始まった漫画「スラムダンク」は主人公が不良であることに皆が共感した。バスケ人気は低かったが、最後の1秒が勝敗を左右する競技の魅力に引き込まれた▼作者の井上雄彦さんは「僕は漫画で『肯定』を描きたい」と語っている(『円空を旅する』美術出版社)。2004年の日本人初NBA選手誕生、16年の国内プロBリーグ開幕。遠回りしても諦めなければ道は開ける。バスケを愛し、自分と仲間を信じた選手たちがそれを証明している。

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