「スマイルカット」支援の輪 県内初の講習会

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発達障がい児に向けた「スマイルカット」について説明する赤松隆滋さん

散髪の苦手な発達障がい児の笑顔を増やす「スマイルカット」を目指し、支援の輪が広がっている。じっと座っていられなかったり、不安になったりするなど困難を抱える子どもたちのため、美容師の赤松隆滋さん(49)=京都市=が心構えやノウハウを考案。4日、理美容師らに向けた県内初となる講習会が、諏訪市駅前交流テラスすわっチャオで開かれた。

スマイルカットの普及に取り組むNPO法人そらいろプロジェクト京都が主催。理事長を務め、これまでに発達障がい児延べ約6500人のカットを手掛けた赤松さんが講師となった。

取り組みは2010年、散髪で障がいのある男児にバリカンを安易に使ってしまい、パニックを起こさせた苦い経験がきっかけ。後悔に襲われ、真剣に向き合おうと動き出した。

講習では、相手をよく知るための事前のカウンセリング、子どもを怖がらせない環境、関係づくりのポイントを解説。絵カードを活用して一連の手順を示すなど、不安を取り除く方法も伝えた。

「ノウハウに頼るのではなく、大切なのは子どもの心に寄り添うこと」と赤松さん。「発達障がい児は困った子ではなく、困っている子ども。笑顔で手を差し伸べて」と呼び掛けた。

講習会には、県内外から約30人が集まった。県内唯一の同カット実施店「カット&リラクゼーションナチュラル」代表の長谷川佳史さん(53)=同市末広=は「対応してくれる店がなく、悩んでいる保護者の声を耳にする。地域に密着し、寄り添える理美容室がもっと増えれば」と願っていた。

受講者はこれまでに2000人以上。受講料やグッズの売上金は、プロジェクトの活動資金や啓発活動に充てられる。

障がいへの理解を深めてもらうため、5日は赤松さんが上諏訪小学校の児童を対象に、出版した絵本の読み聞かせを行う。

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