諏訪大社上社本宮周辺の景観整備 市長が方針

諏訪市が公民協働の景観づくりに着手する諏訪大社上社本宮周辺
諏訪市の金子ゆかり市長は4日の市議会9月定例会一般質問で、同市中洲の諏訪大社上社本宮周辺の景観形成事業に乗り出す方針を明らかにした。国の補助事業を活用し、道路の美装化や住宅の外観修景、電線の地中化などで門前町のたたずまいを整えたい考え。地域住民と協力して方針や計画を策定し、2028(令和10)年の諏訪大社式年造営御柱大祭までの事業着手を目指す。藤森靖明氏(新政すわ)の質問に答えた。
金子市長は、3期目のマニフェストに掲げた「諏訪大社上社周辺の景観づくりを推進し、道路の美装化を含む『街なみ整備事業』に着手する」を紹介。神宮寺区の景観形成活動に触れて「住民主体のまちづくりが行われ、景観整備に対する機運も高まっている」とし、「次回の御柱祭に向けて事業を進めるタイミング。地元と連携して事業化を目指したい」と語った。
事業化に向けては、国土交通省の「街なみ環境整備事業」などの活用を例示した。神宮寺区を中心とした上社本宮周辺を「促進区域」とし、統一感のある住宅外観の修景整備や景観重要建造物の活用、道路の美装化、電線の地中化などを想定している。地元関係者と整備方針をまとめ、国の承認を得て事業計画を策定する。地域住民の合意形成の重要性を指摘した。
市によると、街なみ環境整備事業は県内13市町で実施され、諏訪地方では諏訪大社下社秋宮周辺(下諏訪町)や白樺湖畔(茅野市)で行われた。国の交付率は2分の1~3分の1。住宅修景には補助もあるが、一部個人部負担が生じるという。
市景観計画は、諏訪大社上社周辺地区について▽歴史文化を生かした景観▽門前町のたたずまいと調和した景観▽集落景観の保全と背景となる自然環境を生かした景観―を目指している。神宮寺区では長沢町と宮の脇の2町内会が住民協定に基づく景観形成活動を長年続けているほか、住民グループ「上社周辺まちづくり協議会」が歴史や文化を生かした地域振興に取り組んでいる。