スリランカの空の下で6 シニアボランティア

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スリランカの子どもたちに囲まれる小山さん。「子どもたちから、心を通わせる大切さを改めて教わりました」

スリランカの子どもたちに囲まれる小山さん。「子どもたちから、心を通わせる大切さを改めて教わりました」

「選手の目がきらきらしているでしょ。野球が楽しくて仕方がないんです」
臼田や阿南、阿智など県内で高校野球の指導に当たった元英語教諭の小山秀樹さん(54)=愛知県出身=。早期退職で高校を離れ、昨年10月からJICAのシニアボランティアとしてスリランカに渡った。現地では5代目のスリランカ・ナショナルチームの監督に就任。選手の育成に奮闘する毎日を送っている。

スリランカの人気スポーツはクリケット。野球人気は高いとは言えないが、歴代の協力隊員の努力で競技人口は5000人以上に増えてきた。昨年7月にはプロ野球・広島東洋カープの野村謙二郎前監督が訪れ若手を指導。これを機にJICA中国と同球団が野球を通じた国際協力に関する連携協定を結ぶなど、スリランカ野球の発展を支援する機運が高まっている。

小山さんによると、スリランカ・ナショナルチームの実力は「恐らく高校野球地方大会の1、2回戦レベル」。それでも純粋にプレーする姿に心を打たれた。野球の楽しさとともに、勝つことの厳しさ、喜びも味わってほしい―。指導者としての熱意を呼び起こされた。

指導では基本的な技術とともに、意識を個人からチームへ向かせるため▽声を掛け合う▽(チームのために)走る▽諦めない―などの「ファイブルール」を徹底。練習メニューは選手と決めるなど、相互理解にも心を砕いた。当初はミスをすると言い訳が口をついた選手たちも、互いに「ルール」を確認しながら励まし合うように。「チームで戦う姿勢が身に付いてきた」と手応えを感じている。

第二次世界大戦後、世界各国は日本の領土分割を検討したが、サンフランシスコ講和会議で「憎悪は憎悪によって止むことは無く、慈愛によって止む」と日本への賠償請求を放棄したスリランカの財務大臣(当時)・ジャヤワルダナ氏の演説により回避されたとされる。

小山さんは「スリランカは日本を救ってくれた国。内戦を経て人々の生活は苦しい面もあるが、野球を通じて少しでも恩返しをしたい」と力を込める。目標を聞くと「まずは来年2月の西アジア大会でパキスタンに勝つこと。これから猛練習です」と笑顔を見せた。

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