地域発展、観光に焦点 信金リレバンサミット

諏訪湖畔のおかみ3人を迎えて行ったパネルディスカッション
諏訪信用金庫(田中輝明理事長)は6日、「SUWAリレバンサミット2023-観光×金融=豊かな地域社会の実現に向けて」を諏訪市湖岸通り4の片倉館で開いた。講演とパネルディスカッションで宿泊業の経営と諏訪の観光のこれからを考え、企業と金融機関が手を携えて地域の活力を生む共通意識を深めた。
リレバンは、金融機関が顧客との間で長期間にわたる親密な関係を維持して蓄積した情報をもとに金融サービスを提供してビジネスモデルを展開する「リレーションバンキング(リレバン)」の略。サミットはこの推進と地元企業の支援を目的に2020年から毎年開き、4回目。会場とインターネットのオンラインで同時開催し、会場には諏訪地方の観光業経営者や地域づくりの関係者ら約60人が集まった。
基調講演ではツトム経営研究所の森下勉所長=大阪府堺市=が人材や顧客、技術などの知的資産に注目して固有性の磨く手法をアドバイスし、合資会社親湯温泉(本社茅野市)の柳澤幸輝社長が「コロナ禍3期連続黒字を実現した3つの秘密」と題して話した。
柳澤社長は、約100年前のスペインかぜ流行後の超好景気に注目し、諏訪信金の支援で「できるだけ多くの資金を調達して正社員数を維持し、市場が反発するまで耐える戦略を取った。安心安全とプライベート感に徹底的にこだわり業界特化した」と説明。社内運営では心理学や自律神経の働きにも着目して社員を理解し、信頼関係で発展する組織づくりを進め、秩序を固めたことが奏功した-とした。
続くパネルディスカッションは、諏訪湖畔の3旅館・ホテルのおかみ、辰野由美子さん(渋の湯)、伊東敦子さん(ホテル鷺乃湯)、白鳥和美さん(RAKO華乃井ホテル)がユーモアで場を和ませながら持論を語った。
伊東さんはおかみの役割を「目に見えないものをキャッチするアンテナ力が大切。お客さまはもちろんコツコツと働くスタッフを見守るのも仕事」と話し、経営者でもある白鳥さんは「諏訪湖のブランド化と南諏の山岳観光との一体的な誘客、学生時代からの人材育成が重要」と提言。辰野さんは諏訪の観光振興は「この地に暮らす人皆が生き生きと働き、生活する安定と活力があってこそ」と述べた。